「“働けない”と思っていた息子が変わった日」

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「“働けない”と思っていた息子が変わった日」

小さな成功体験の積み重ねが教えてくれたこと

「この子は働くことは難しいかもしれない…」
数年前まで、私はそう思っていました。
高校を卒業してからも仕事が長続きせず、人との関わりに疲れてしまった息子は、家で過ごす時間が増えていきました。
朝はなかなか起きられず、昼夜逆転の生活。部屋から出てくることも少なくなり、「仕事」の話をすると黙り込んでしまう。親として「何とかしなければ」という気持ちはあるものの、どう声をかければいいのか分からず、私自身も悩む毎日でした。
そんなとき、相談支援専門員の方から紹介されたのが、就労継続支援B型事業所でした。

「まずは見学だけでも」

最初は息子も、「自分には無理」と言っていました。
それでも、「見学だけなら」と一緒に事業所を訪れることにしました。
施設の中では、利用者の皆さんがそれぞれのペースで作業をしていました。静かな環境で、スタッフの方も一人ひとりに優しく声をかけています。
帰り道、息子がぽつりと一言。
「思っていた場所と違った。」
その言葉を聞いて、少しだけ希望が見えた気がしました。

最初の目標は「通うこと」

利用を始めたばかりの頃は、週2日、午前中だけの通所でした。
作業を頑張ることよりも、「時間どおりに行くこと」が目標です。
体調が優れず休む日もありました。
「今日は行けなかった…」
と落ち込む息子に、支援員さんはこう声をかけてくれました。
「大丈夫。また来られる日に来ればいいですよ。」
その言葉に、親の私まで救われた気持ちになりました。

「できた」が少しずつ増えていった

通所を続けるうちに、小さな変化が見え始めました。
朝、自分で目覚ましをかけるようになった。
「今日はこれをやったよ」と家で話してくれるようになった。
スタッフの方から
「丁寧な作業ですね。」
と褒められたことを、少し照れながら話してくれた日もありました。
以前なら、「どうせ自分なんて」が口ぐせだった息子が、
「今日は最後までできた。」
と話す姿を見て、「自信って、こうやって育っていくんだ」と感じました。

家族の気持ちも変わった

一番変わったのは、実は私たち家族だったのかもしれません。
以前は、
「早く働けるようになってほしい。」
「もっと頑張らないと。」
そんな気持ちばかりが先に立っていました。
でも就労支援を利用してからは、
「今日は通えたね。」
「頑張っているね。」
と、小さな成長を一緒に喜べるようになりました。
「働く」という結果だけを見るのではなく、その過程を大切にできるようになったのです。
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■ 「働けない」ではなく「まだ準備中だった」
今、息子は週5日、事業所へ通っています。
将来は一般就労にも挑戦してみたいと、自分から話すようになりました。
もちろん、まだ不安はあります。
でも、以前のように「自分には無理」と言うことはなくなりました。
振り返ると、「働けない」と思っていたのではなく、
働くための準備が整っていなかっただけだったのです。
その準備を、一歩ずつ支えてくれたのが就労支援でした。
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■ 最後に
子どもの将来を心配する親にとって、「働く」という言葉はとても大きなテーマです。
でも、最初から大きな目標を目指す必要はありません。
朝起きられた。
笑顔で帰ってきた。
「また明日も行こうかな。」
そう思えた。
その一つひとつが、確かな成長です。
就労支援は、働く技術だけを身につける場所ではありません。
「自分にもできる」という自信を少しずつ育てていく場所です。
あの日、「見学だけでも行ってみよう」と踏み出した小さな一歩が、息子の未来を少しずつ変えてくれました。
もし今、「うちの子には難しいかもしれない」と感じているご家族がいるなら、まずは見学や相談から始めてみてください。その一歩が、新しい可能性につながるかもしれません。