あのとき一歩を踏み出して良かった

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あのとき一歩を踏み出して良かった

― B型から始めた息子のストーリー

― B型から始めた息子のストーリー
「働くなんて、自分には無理だよ。」

高校卒業後、家にこもりがちになった息子が、よく口にしていた言葉です。人との関わりが苦手で、初対面の人とは目も合わせられない子でした。私たち家族も「このままでいいのだろうか…」と、毎日のように不安を抱えていました。

そんな中で出会ったのが、就労継続支援B型事業所でした。

◆ きっかけは「見学だけでも…」という軽い気持ち

地域の相談支援員の方から「B型事業所という場所があるんですよ」と聞き、正直最初はピンと来ませんでした。でも、資料を読んでみると「働くことが目的だけではなく、生活リズムや社会性を整える場」と書いてあり、なんだか息子に合っているかもしれないと思いました。

見学に行った日、息子は最初は無表情。でも、スタッフの方が無理に話しかけることなく、そっと寄り添う姿を見て、少しだけ安心したようでした。

「まずは週1日、午前中だけ来てみませんか?」

そのやさしい言葉に、息子も小さくうなずきました。

◆ 少しずつ「できること」が増えていった

最初は、短時間の軽作業からスタート。シール貼りや袋詰めなどの単純な作業ですが、本人にとっては大きな挑戦でした。

「今日も行けたね」「昨日より集中できたね」
毎日の小さな“できた”を積み重ねていく中で、表情が少しずつ和らいでいったのを覚えています。

2ヶ月も経つと、自分から「明日も行っていい?」と聞いてくるように。週1日が週3日になり、午前だけが午後までになり…。その変化は、家族にとっても希望の光でした。

◆ 変わったのは「働き方」だけじゃない

通所を始めてから、生活のリズムが整っていきました。
朝起きて、身支度をして、外へ出る。
それだけでも、以前の息子からは考えられなかった大きな一歩です。

また、他の利用者さんやスタッフさんとのやりとりを通して、人と関わることへの抵抗も少しずつ減ってきたように感じます。

「お母さん、今日、自分で声かけてみたよ」
そんな言葉を初めて聞いた日は、涙が出るほど嬉しかったです。

◆ 今では「次のステップ」に向けて準備中

B型事業所での経験を通じて、息子には「働くって悪くないかも」という気持ちが芽生えました。
今は、少しずつ一般就労を目指す方向で、就労移行支援へのステップアップも視野に入れています。

焦らず、でも確実に前へ進んでいる息子を見て、あのとき「見学だけでも行ってみよう」と思えた自分自身にも、今は感謝しています。

就労支援というと、「ちゃんと働ける人が行くところ」と思われるかもしれません。でも、実際は**「これから一歩を踏み出したい人のための場所」**なんだと、私たち家族は感じました。

通所がすべてを変えてくれるわけではありません。でも、そこに行くことで変わる「きっかけ」は、たしかにあります。

もし、今、不安や迷いを抱えている方がいたら…
まずは一度、話を聞きに行くだけでも、きっと何かが動き出しますよ。